五代目箱屋常吉の「木のおはなし」
箱屋常吉は明治元年に大阪江戸堀で創業、有名料亭や老舗昆布店、大相撲枡席や京都都をどりの弁当箱を手がけてきた。
初代常吉が生まれた頃に植えられた杉の木が、今樹齢200年余りと年月が経ち、ようやく私たちの家や木の道具になる。木が育つのにはものすごく時間がかかる。だからこそ大切につかうべきで、その生命の力がもらえる。
森を守るためには、林業に携わる人だけではできない。森の木を育てる人、木の道具を作る人、その道具を使う人、そしてそれをまた土に還す人。作り手も使い手も森の守り人だ。
この「木の国日本プロジェクト」では、そんな箱屋常吉の「森と心の守り人」の考えに共感し集まってくれた同志たちで、「木の国日本」を未来に繋げていくために何ができるかを共に考え、自分たちにできることを一歩づつやっていきたい。
昨年3月にプロジェクトを発足してから、少しづつ輪が広がり始めた。
「木を愛し」「木に感謝し」「土に還し」「森に恩返しする」
この木と森と人間の暮らしの良い循環を続けるためにできること。
もし我々と一緒にプロジェクトをやりたいという人がいて、声をかけてくれたら嬉しい。
私はいつも、“木と会話”しながらものづくりを続けている。
このブログでは、そんな私が大切にしている「木のはなし」を綴ってみようと思う。
株式会社常吉 代表取締役
五代目箱屋常吉/木箱職人
笹井 雅生